8月も終わりに近づき、暦の上では秋ですが、まだまだ残暑厳しい日が続いています。 夏バテや熱中症など、暑さによる体調不良や事故は例年報道されていますので、御存知の通りかと思います。
そんな人間と同様、パソコンなどの精密機器も暑さ(熱)には非常に弱い構造となっています。
特にCPUやグラフィックボードなど、処理の中心を担うパーツは熱を持ちやすいのですが、生み出される熱が排出される熱を上回ると、正常な動作ができずに、いわゆる「熱暴走」を起こしやすい状態となります。 熱暴走が起こると保護回路が働いて急に電源が落ちたりしますが、保護回路が動かなければ最悪の場合パーツが壊れてしまうことも。
冷却ファンは空気と一緒にホコリも取り込んでしまう……!
大抵のパソコンには熱を発散させるためのヒートシンクや、外部の空気を取り込んで各パーツを冷やし、熱を排出するための冷却ファンがついているのですが、「外部の空気」と一緒に細かいホコリなども取り込んでしまいます。
高性能パーツを詰め込んだハイスペックマシンともなると、生み出される熱もかなり高くなり、それを冷やすために強力なファンで空気を取り込むような構造になっていることが多いです。
そして、空気と一緒に取り込んだホコリは少しずつパーツに沈着し、気づいたらヒートシンクや冷却ファンに大量に積もってしまていた……という状態になりやすいのですが、こうなるとホコリに熱が篭ってしまうため、冷却がままならずに熱暴走を引き起こしてしまうケースもあります。
いくら扇風機で風を送っても、ホコリによる毛皮のコートを着ているようなものですので、冷却能力はガタ落ちになるわけですね。
内部クリーニングに掃除機は危険!エアダスターをつかいましょう
「パソコンの中を掃除機で吸ったら起動しなくなった」というトラブルは、意外と多い症状です。
原因の多くは、静電気。
積もりに積もったホコリを掃除機で一掃する……のは良いのですが、実は掃除機は静電気の塊です。 ノズルがプラスチックなどで作られていますので、空気やホコリとの摩擦によって静電気が貯まっていることが多いのです。
小学生時代などに下敷きをこすり、静電気で髪の毛を逆立てて遊んだ経験は誰にでもあるかと思いますが、掃除機のノズルではそれが頻繁に起こっているというわけです。
そしてもちろん、精密機械は静電気に弱いので、人間には気づかないほどの微電流ですら、パチッと放電してしまったが最後、ショートして壊れてしまった……ということも起こり得ます。
積もったホコリを掃除するのは、圧縮空気で吹き飛ばすのがベターです
これらはホームセンターや家電量販店、PCショップなどで売られていますので(もちろんQLiCKでも取り扱っていますよ!)、入手は容易だと思います。
もちろんホコリが舞ってしまうため、風通しの良い屋外で行うのがオススメです。
エアダスターの中にはDME(ジメチルエーテル)など可燃性の非常に高いガスが使われているものもありますので、どうしても屋内でクリーニングするのであれば、窓を開放したり換気扇をつけた上で、CO2(炭酸ガス)など不可燃性ガスが使われている商品を選ぶと良いでしょう。
また内部だけでなく、外部コネクタ部分にもホコリが溜まっていることが多いので、忘れずに吹き飛ばしておきましょう。
エアダスターでも取りきれなかったガンコなホコリや汚れは、専用のクリーニングウェットティッシュや綿棒などを駆使して丁寧に拭いていけば、新品同様のピカピカにすることもできます。
ファンはもちろんヒートシンクの隙間、束ねたケーブルの間、各コネクタ部分などを細かく掃除すれば、熱暴走の危険が低下するだけでなく、冷却に余計な電力を消費せずにすむため、エコにも繋がります。
ノートパソコンの場合は分解が難しく、空気も篭りがちになるので、側面や裏面の吸排気口から念入りにエアダスターをかけるだけでも、かなりの効果があります。
暑い季節を乗り切ったパソコンを労う意味でキレイにしてあげれば、より愛着が湧いてくるかもしれませんね。
この記事を書いた人
- キャラクターの名前は「クリックくん」。パソコンショップQLICK香芝本店は、2009年に奈良県香芝市に堂々OPEN!地域密着のパソコン専門店で、地元の温かいお客様に支えられ、今日に至ります。