パソコン修理でお持ち込み頂く症状で、トップクラスに多いのが「パソコンが急に起動しなくなった」です。
一口に「起動しない」と言っても、いろいろなパターンがあります。中でも「真っ黒な画面に白い文字で何か書いてあって……」というご相談は少なくありません。
今回は、その症状の中でも比較的多い症例をご紹介致します。
「Windows エラー回復処理」画面が出ている場合
Windowsのエラー回復処理は、起動中に強制終了するなど、正常に起動・終了できなかった直後に出てくるのはもちろん、起動に必要なシステムやファイルが破損している時にも出現します。大抵は「Windowsを通常起動する」や「スタートアップの修復」を試みることによって回復するのですが、それでも同じ状態が続くようですと、修復不可能なまでにシステムが破損している可能性があります。
画面に出ているように、何かのハードウェアを追加したり、ソフトウェアをインストールしたことによって引き起こされている場合や、HDD・SSDなどWindowsが入っているハードウェアが物理的に破損していることでも起こることがあり、データ的な問題なのかハード的な問題なのかを切り分ける必要があります。 Windowsのシステムのみが壊れている場合、作成したデータが無事であれば、バックアップが可能なこともあります。
「S.M.A.R.T. Hard Drive detects Error」エラーが発生してしまった場合
S.M.A.R.T. ハードドライブにエラーが見つかりました。
ハードドライブのバックアップを検討してください。
F1キーを押すと続行します。
S.M.A.R.T. とは、「Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology」の略で、直訳すると「自己管理診断報告技術」となります。単に「自己診断機能」とされることも多いです。昨今のHDDやSSDは大抵この機能を持ちあわせていて、エラーがあると報告してくれることがあります。
エラーはあるものの、まだ機能している状態のため、F1キーを押すとWindowsが起動し、ある程度は普通に使えることもありますが、早急にバックアップをとって万一に備えた方が良いでしょう。 逆にF1キーを押しても起動しない場合、重篤化している可能性もあります。
とはいえ、S.M.A.R.T.機能が働いて警告してくれるパターンは少なく、大抵はこの状態を飛び越えて不具合が出ることがありますので、普段からバックアップを取っておくのをオススメします。
バックアップについては、よっしーの記事(スマホやPCで「大切なデータを守る」ための3つの方法)をご覧ください。
「OSが見つからない(Operation System not found)」場合
OS(Operating System)が見つかりません。
真っ黒な画面に一行だけ表示されていて、かなりの恐怖感を味わうこの画面。OSとは(ほとんどの場合)Windowsのことですが、起動に必要なシステムが見つからない場合と、OSが入っているHDDやSSDが認識できない場合の2パターンがあります。
まずはPCに接続されているマウスやキーボード、ディスプレイ以外の全ての周辺機器を取り外し、CDやDVD、USBメモリなんかも取り出しましょう。まれに、USB機器から起動する設定になっていて(USBにはOSが入っていないことがほとんど)、「OSが見つからない」となる場合もあります。
それでも起動しない場合、OSやパーティションの破損、またはHDD・SSDの認識エラーが出ている可能性があります。特に後者の場合、物理的・論理的な不具合が原因だと交換が必要になることもあります。
また、自作系PCの場合、当然ながらOSをインストールしていないと上記画面が出てきます。
「ブートデバイスが見つからない(Boot Device Not Found)」場合
起動デバイスが見つかりません。
ハードディスクにOSをインストールしてください。
前述の「Operating System not found」に、意味的には近いものです。ゆえに原因や対処法もほぼ同じですが、「OSが見つからない」に対して「起動デバイスが見つからない」であるため、ハードウェアのエラーである可能性が高まります。また、マザーボードのシステムにより、同じ原因でも「Operating System~」と「Boot Device~」のどちらかが出てくることもあります。
この2例は原因によってOSの再インストールで改善する場合と、ハードウェアの交換が必要な場合があります。
「Windowsが入っているHDDが見つからない(internal hard disk drive not found)」場合
内蔵HDDが見つかりません。
この問題を解決するには、ドライブを再起動してください。
接続されているHDDやSSDが認識できない状況で、このような表示になる場合があります。 Windowsが入っている場所が見つからないため、もちろん起動はできません。
「PC内部を清掃した時、うっかりHDDやSSDのケーブルを外してしまった」という場合もありますが、特に何も起きていないのにこの表示が出てきた場合、認識エラーが出ている可能性が非常に高い状態です。
ハードウェア的なトラブルの場合、交換が必要なことが多いでしょう。 HDDやSSDを他のPCに接続しても認識できない場合、データのバックアップには解析作業を伴うこともあります。
まとめ
いろいろな症状を見ていきましたが、OSが起動しない場合、HDDやSSDが原因であることが非常に多いことがお分かり頂けたかと思います。
これらはOSだけでなく様々なデータを保存している機械ですので、万一のことが起こっても良いよう、大切なデータのバックアップは常日頃からとっておきたいものですね。
この記事を書いた人
- キャラクターの名前は「クリックくん」。パソコンショップQLICK香芝本店は、2009年に奈良県香芝市に堂々OPEN!地域密着のパソコン専門店で、地元の温かいお客様に支えられ、今日に至ります。