スマートフォンやタブレット、パソコン、ゲーム機、最近ではテレビやHDDレコーダーなどのAV機器などでよく利用する「WiFi」と呼ばれる無線の電波ですが、じつは種類が多数存在しています。各種類ごとに特徴があり、速度や電波の強さなど特徴があります。
使用環境の無線のインターネットがなんだか遅い……? なんて思ってる方、「実は無線ルーターが古くて遅い規格しか対応していなかった」なんてことも……。
ここで、WiFiの種類や規格などについて、2015年最新情報をおさらいしますので、自身の無線環境を見直してみましょう。
WiFi(ワイファイ)とは?
Wi-Fiとは、無線LAN製品の互換性を検証するWi-Fi Allianceという業界団体によって付けられたブランド名のことである。
Wi-Fiブランドは、Wi-Fi Allianceによって他社製品との互換性が検証された無線LAN製品に与えられる。認定製品は「Wi-Fi CERTIFIED」のロゴを使用することができる。
Wi-Fiは互換性に関する認定ブランドであるが、Wi-Fi Allianceでは、互換性の検証だけでなく、WPA(Wi-Fi Protected Access)やWPA2などの無線LAN暗号化方式の規格や、WPS(Wi-Fi Protected Setup)という無線LAN機器同士を簡単にセキュアに接続できる規格などを提唱し、無線LANの普及と発展に寄与している。
Wi-Fiとは – IT用語辞典 Weblio辞書 より引用
「IEEE802.11」という複雑な名前がつけられた電波を総称して「WiFi(ワイファイ)」と呼びます。色々と種類があってややこしいので、すべてをひっくるめて「WiFi」って呼んじゃおうって事です。
これは全く知らなくても良いのですが、IEEE802.11とは……
- IEEE(アイトリプルイー)……アメリカ合衆国に本部を持つ電気工学・電子工学技術の学会をIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)と言います
- 802(ハチマルニ)……IEEEの中の802委員会
- .11(テン イチイチ)……802委員会のグループ11
つまり、無線LANの規格を標準化しましょう!と話し合いをして決めたのが「IEEE802.11」というグループだと言うことです。(ややこしい)
WiFiの電波は大きく分類すると「2種類」
WiFiには「2.4GHz帯」と「5GHz帯」と呼ばれる2種類に分類されます。周波数が2種類存在するのは、昔の無線LANでは、電化製品にも多い2.4GHz帯の電波が使用されてきました。そして最近では電波干渉を回避する目的もあり、5GHz帯の電波も使用するように変化してきました。
2.4GHz帯
無線のマウス・キーボード、Bluetoothなどでも使用される帯域なので、電波干渉が起きやすいといわれていますが、「壁や扉などを通しても電波は弱くなりにくい」特徴があります。電波干渉が起きると、通信速度が遅くなったり、接続できないなどのトラブルがおこります。
5GHz帯
無線LAN以外では、使用されることが少ない電波帯域なので、電波干渉が起きにくく、安定通信が可能です。2.4GHz帯に比べて「壁や扉などを通して電波は弱くなりやすい」のが弱点です。周波数の数値が上がれば上がるだけ光の性質に近くなると言われており、遮蔽物の影響を受けやすくなります。また、距離による減衰を受けやすくもなりますので、遠くに届きにくいと言われています。
WiFiの天敵「電子レンジ」に注意しよう
WiFiの2.4GHz帯を使用している場合、影響を与えやすい電子レンジやコードレス電話は注意が必要です。無線ルーターと使用場所の間に電波干渉する機器があると、場合によっては電波が途切れたり速度が低下することも……。 対策としては、無線ルーターの位置を離す、影響を受けにくい「5GHz帯を使う」、「11ac規格を使う」などです。
WiFiの通信方式、2015年現在の規格は主に「5種類」
最近販売されている無線ルーターが対応している規格は下記の5種類存在しています。それぞれの特徴を解説いたします。
11aの特徴
5GHz帯の電波を使用し、通信速度は最大54Mbps。昔は電波干渉に強い電波として力を発揮していました。
11bの特徴
2.4GHz帯の電波を使用し、通信速度は最大11Mbps。障害物に干渉しづらいですが、いかんせん最大速度が遅く微妙な規格。
11gの特徴
数年前に主流だった規格。2.4GHz帯の電波を使用し、通信速度は最大54Mbps。電波が届きやすく、速度も十分出ていたのでいっきに普及しました。
11nの特徴
現在主流の電波。2.4GHz帯と5GHz帯、両方使用可能。通信速度は最大300-600Mbps。速度と電波強度を兼ね備えた規格です。最近ではほとんどのスマートフォンやパソコンが対応しています。
11acの特徴
今年にはいって普及が始まった最新の規格。現在の主流である「11n」と比べて10倍近い速度アップ。複数の同時接続にも強い。
「11ac」対応の無線ルーターの落とし穴
「11ac」最強!ってことで飛びつきたくなる所ではありますが、子機(スマートフォン・パソコンなど)が対応していない場合、宝のもちぐされとなるので注意が必要です。この場合、「11n」などの規格で接続する事になりますので、速度や安定性の恩恵を受けることができなくなります。
WiFiの電波が弱いときはハイパワー型を選択する
無線LANにはノーマルタイプとハイパワータイプが存在します。電波が弱くて思ったほど速度が出ない場合、ハイパワー型を導入することにより、より遠くまで安定したスピードで電波を送ることが可能です。
ハイパワー機のほとんどは、メーカーが独自にアンテナを改良し、電波の死角を減らすことで安定性やスピードを改善しているようです。大きなアンテナが2~3本付いている製品などが特徴的です。
それでもスピードが出ない・通信できない場合は「中継器」
ハイパワー無線ルーターでも電波がまだ弱い場合、無線中継器をおすすめします。電波の届く所に中継機を設置すれば、設置した場所を中心として、より遠い場所へ電波を運ぶことができます。一戸建てなら階段の踊り場、マンションなら部屋の中間にある廊下などに設置します。最近はコンパクトな製品も多数登場しており、直接コンセントに差し込む小型形状の商品も販売されています。
使用環境の回線スピードを調べるには?
実際の使用環境で、回線速度はどれ位でてるのかな?と疑問をお持ちの方、アプリやウェブの無料サービスで、測定してみるのも良いかもしれません。
Androidなら「Ookla Speedtest」のアプリ、iPhoneなら「Ookla Speedtest」のアプリ、パソコンなら「BNRスピードテスト」のページで測定して比べてみましょう。
まとめ
無線LANも詳しく知ろうとすれば、専門的な知識が必要になることも多く、奥が深いのですが、最近は手軽で便利な商品も登場し、初心者も容易にハイグレードなWiFi環境を構築できるようになりました。
また、インフラの発達、インターネット上のストリーミング配信や動画サービスの普及により、11acのような高速規格も登場し、どこにいてもスムーズに通信できるだけではなく、電波の届かない死角が無くなるのではないか? と思うこともあります。
スマホやパソコンをガンガン使うのであれば、使用中の無線ルーターが11nや11acに対応していない場合、買い換えを検討しましょう。将来最新機器に買い替えることや、規格の普及も考慮して、「11ac」対応の無線ルーター導入を検討してみてはいかがでしょうか。通信スピードや安定性の改善により、快適なインターネットライフを手に入れましょう。
この記事を書いた人
- チーフ「よしだ」。2009年入社。座右の銘は「真面目に取り組む」。プログラミング全般、ウェブ製作、ネットワーク関連に強い。趣味は映画鑑賞、海外ドラマが大好き。
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