光回線でもネットが遅い?そんな時にチェックすべき5つの項目

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秋も深まり、紅葉狩りに適した時期となってきました。 地元・吉野の山も赤や黄色に染まっていて、風情を感じているスタッフTOMです。

さて今回の記事は、店頭でもよくご相談を受ける「インターネットが遅い」という問題です。 「1Gbpsの高速回線を引いているのに、思ったほどスピードが出ない」、「ADSLから高速回線に切り替えたのに、あまりスピードが変わらない」、「携帯のLTEのほうが速い気がする」 ……などなど。

一口に「インターネットが遅い」と言っても、その原因は様々ありますので、代表的な原因とその対策をご紹介いたします。

カテゴリ5 以前のLANケーブルを使っている

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高速なインターネット回線を契約していて、有線LAN接続なのに思ったよりスピードが出ない……。

そんなときは接続されているLANケーブルの外袋や、ケーブルそのものチェックしてみましょう。 もしかして、「カテゴリ5(CAT.5)」やそれ以下の数字が印字されていませんか?

「カテゴリ5」は100Mbpsまでの通信速度が上限で、いわゆるギガビットLAN(1Gbps)に対応しているLANケーブルは、「カテゴリ5e」より上の規格です。  つまり、古い規格のLANケーブルを使っていると、いくらプロバイダから高速にデータがやってきていても、モデムやルータとパソコン間の通信速度が遅いため、そこで渋滞してしまうわけです。

ちなみに「カテゴリ6」は「カテゴリ5e」と同じく1Gbps対応ですが、同時使用時やノイズなどに強くなっています。 「カテゴリ6A」、「カテゴリ6E」、「カテゴリ7」は10Gbpsもの超高速データ通信に対応していますが、今はまだ一般的ではありません。

種類通信速度備考
カテゴリ5100Mbps一昔前は主流だったケーブル。

現状100Mbps以上のネット契約をしている場合は、

上位ケーブルへの変更をお薦めします。

カテゴリ5e1Gbps1Gbpsに対応。 価格も安価で、入手しやすい。

現状、一般家庭など小規模なネットワークであれば

充分な性能を持ちます。

カテゴリ61Gbps1Gbpsに対応。 上記カテゴリ5eとともに主流のケーブル。

カテゴリ5eに比べて転送帯域が広いため、

同時アクセスが多い場合に向く。

しかし一般用途であれば、カテゴリ5eとの差は

ほとんど体感できないことが多いです。

カテゴリ710Gbps10Gbpsに対応と、現状の最高通信速度を誇るLANケーブル。

ただし、一般向けのネット回線は1Gbpsまでのものが多く、

業務用の側面が強い印象。

ルータの規格が古い

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ケーブルは大丈夫だけれど、有線LANも無線LANもなんだか遅い……。 その場合、ルータの規格・性能を見なおしてみましょう。 よくあるのは、今までADSLなど比較的低速な回線で使っていたルータをそのまま流用している場合です。

先述のLANケーブルと同じく、ルータにも対応する通信速度があります。 有線LANの場合、100BASE-TX(100Mbps)や10BASE-T(10Mbps)までの対応ですと、いくらネット回線が高速でも最大で100Mbpsや10Mbps(理論値)までしか通信速度が出ません。

同じく、無線LANも電波によって通信速度に上限があり、「IEEE802.11a」や「IEEE802.11」ならば最大54Mbps、「IEEE802.11b」ならば最大でも11Mbpsの速度でしか通信できません。

高速インターネット回線を契約しているのであれば、無線は「IEEE802.11n」(最大450Mbps)や「IEEE802.11ac」(最大1300Mbps)の高速無線規格に変更するのがお薦めですが、もちろんパソコンやスマホ側も、この規格に対応していることが前提です。

イメージとしては、高速道路自体はガラガラに空いているのに、インターチェンジが1車線しかなくて大渋滞しているような状況です。 高速通信対応に変更すると、インターチェンジの車線も増え、快適に利用できます。

無線LANの電波はルータによってまちまちですが、「高速無線対応なのに遅い」という場合、電波の種類を変えてみると良いかもしれません。(もちろんデバイス側にも同じ電波の種類に対応していることが条件です)

無線LANの電波が弱い

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無線LANルータとデバイスの距離が離れていると、その距離にしたがって無線の電波が弱くなります。 電波が弱いと正常な通信が困難となり、頻繁に通信エラーが起こります。

無線LANに限らずですが、基本的には元々のデータをいくつかの小さいデータに分割して、順番を決めて送受信しています。 いわゆる「パケット通信」がこれです。

たとえば元々のデータを4つに分割し、「1→2→3→4」の順番で送るはずのデータのうち、1番が届かないと2番が発送されません。 そして2番が届かないと3番も発送されません。 電波が弱い場合、データを途中で紛失してしまうことが多いため、何度も何度も同じデータを送信し続けます。 これが遅くなる原因です。

また、電子レンジやモーターなどの電磁波は無線電波と干渉してしまったり、鉄筋コンクリートなどは電波を吸収してしまうことがあるため、通信速度低下の一因となることも。

無線LANルータとデバイスの間に中継器を設置することで、電波強度が改善することがありますので、電波強度が弱い場合は一考の余地有りです。

複数のデバイスで同時にアクセスしている

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インターネット回線は大抵の場合、1家庭に1回線であることが多いと思われますが、自分以外の端末がネットゲームやストリーミング動画など、いわゆる「重い」コンテンツに同時にアクセスしていると、自分が利用できる余裕がかなり少なくなってしまいます。(これを「帯域が圧迫されている」と言います)

お父さんが動画閲覧、お母さんが調べ物、お兄さんがネットゲーム、お姉さんがスマホでSNSチャット……となると、家族で帯域の奪い合いになってしまっているわけです。

また、マンションなど集合住宅の場合「その建物に引かれているネット回線」は1つであることが多いため、他の家庭が重いコンテンツを利用していても、同様に帯域が圧迫されてしまいます。 また、ご近所さんでも利用人数が多いプロバイダの場合、その地域に対する帯域が圧迫されていることもあります。

他の人が利用していないような時間帯を選んで使ったり、可能であれば重いコンテンツの利用を一時的に中断してもらうのが良いのですが、そうも言っていられない状況であることが多いと思われます。

最も有効な対処法は、自分だけの空いてる回線を引くことなんですが、単純に利用料が倍以上になってしまうため、ある程度は諦めも肝心でしょう。

デバイス自体の性能が追いついていない

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ルータの項でも紹介しましたが、パソコンやスマホといったデバイス自体も高速通信に対応していないと、いくらネット回線や周辺機器が高速でも意味がありません。 さらに、デバイス自体の性能が遅いと本末転倒です。

動画配信サイトなどで、フルHDや4Kなど高解像度の映像を楽しむ場合、データ量自体も多いため、再生機器の処理能力でもかなり左右されます。

文章ベースのWEBサイトを見たり、メールの送受信程度ならばあまり問題になりませんが、インターネット上の動画を見たりネットゲームをプレイする場合は、できるだけ高性能なデバイスを利用するのをオススメします。

まとめ ~快適なインターネット環境とは~

以上のように、ネット環境は様々な要因によってスピードが低下することがあります。 せっかく高速回線を用意したのですから、サクサクと利用したいもの。 となれば、周辺機器からケーブル、利用する端末に至るまで、高速回線に対応した高性能な製品を選ぶことが最も効果的です。

もちろん、自分の環境以外の要因で速度が遅くなっていたり、帯域が圧迫されていたりすることもありますので、「万全の状態なのに全然スピードが出ないよ!?」という場合、プロバイダに問い合わせてみたり、プロバイダ自体を変更してみるのも一つの手ではないでしょうか。

この記事を書いた人

クリック香芝本店
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キャラクターの名前は「クリックくん」。パソコンショップQLICK香芝本店は、2009年に奈良県香芝市に堂々OPEN!地域密着のパソコン専門店で、地元の温かいお客様に支えられ、今日に至ります。